2011/1/3

環境・通信・その他

“欧州統合”企業の電話番号にも、欧州委が検討開始

この記事の要約

EUで域内企業が全加盟国で単一の電話番号を使用できるシステムを導入する計画が浮上している。電話番号にも“欧州統合”の理念を反映させ、企業と顧客の便宜を図る狙いがある。欧州委員会はこのほど、同構想の実現に向けて各方面からの […]

EUで域内企業が全加盟国で単一の電話番号を使用できるシステムを導入する計画が浮上している。電話番号にも“欧州統合”の理念を反映させ、企業と顧客の便宜を図る狙いがある。欧州委員会はこのほど、同構想の実現に向けて各方面からの意見募集を開始。2月28日まで域内の企業、消費者、通信事業者、各国の通信監督機関などから広く意見を聞き、企業に割り当てる電話番号を域内で共通化するシステムの必要性を見極める。

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企業に割り当てる電話番号を域内で共通化する構想は、国境を越えた営業活動やアフターサービスの提供などを円滑にすると同時に、顧客が居住地に関係なく域内のどこからでも同じ番号で問い合わせができるようにして、単一市場の形成を促す狙いがある。EUでは国際電気通信連合(ITU)の規定に基づき、2000年に各企業の電話番号の前に域内共通のアクセスコード「3883」をつける「欧州電話番号スペース(ETNS)」を導入したが、IP電話の普及などに伴い、企業が域内全域で使用できる固定電話の番号を持つメリットは徐々に薄れている。欧州委はこうした現状を踏まえ、ETNSが昨年12月末で失効したのを機に、同スキームに代わる新たなシステムが必要か、必要な場合はどのような方法が望ましいかなどについて各方面の意見を聞き、具体策の検討を進める。

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欧州委は国ごとに異なる電話番号制度を調和させるためのアプローチとして、新たにビジネス専用の短縮番号(たとえば「115」など)を導入する方法や、ETNSを踏襲してEU共通の国際電話アクセスコード「3883」の採用を促す方法を挙げている。

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