2011/1/10

産業・貿易

パイロットの乗務時間に上限、欧州航空安全庁が提案

この記事の要約

欧州航空安全庁(EASA)はこのほど、航空機事故の一因となる操縦士の疲労を軽減するため、乗務時間の上限を日中で14時間、夜間で12時間とすることを提案した。この上限には乗務前の空港での待機時間も含まれる。\ これに対して […]

欧州航空安全庁(EASA)はこのほど、航空機事故の一因となる操縦士の疲労を軽減するため、乗務時間の上限を日中で14時間、夜間で12時間とすることを提案した。この上限には乗務前の空港での待機時間も含まれる。

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これに対して欧州の約3万9,000人の操縦士が加盟する欧州操縦士協会は、航空各社の圧力に屈したもので上限時間が長すぎるとして批判している。同協会は科学的調査によれば重大な航空機事故の5分の1は操縦士の疲労が原因であるとして、操縦士の長時間労働に対する厳しい規制を求めている。

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今回の提案はEU全域で操縦士の労働時間の制限を統一することを狙ったものだが、英国では日中で上限を9時間とするなど、すでに厳しい規制を導入している国もある。EASAの広報担当者は、航空会社や操縦士労組、航空安全関係者から意見を聞いた上で、EUに正式提案する方針。EUでは2012年4月までに新しい規制の導入が見込まれている。

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すでに米連邦航空局(FAA)も操縦士の労働時間の上限を厳しくするよう提案している。これによれば24時間のうち上限をこれまでより3時間短い13時間とし、夜間は9時間としている。

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