2011/1/31

産業・貿易

加盟国が遠隔取引の消費者保護ルール承認

この記事の要約

EU加盟国は24日の閣僚理事会で、電子商取引など遠隔取引における消費者保護を目的とする「消費者の権利に関する指令(案)」を承認した。国ごとに異なるルールを統一してEUレベルで消費者の権利保護を強化し、国境を越えた電子商取 […]

EU加盟国は24日の閣僚理事会で、電子商取引など遠隔取引における消費者保護を目的とする「消費者の権利に関する指令(案)」を承認した。国ごとに異なるルールを統一してEUレベルで消費者の権利保護を強化し、国境を越えた電子商取引を促進するのが最大の狙い。欧州議会の承認を経て実施に移す。

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EUは現行指令でオンラインショッピングを含めた商取引における消費者の権利や事業者が守るべき義務を規定しているが、それぞれ最低限の要件を定めたルールが多く、たとえばクーリングオフの期間や配送中のトラブルに関する補償などは国によってばらつきがある。欧州委は国境を越えた商取引を促進するにはこうしたルールを域内で統一し、全体として消費者保護レベルを高める必要があるとの判断に立ち、2008年10月に新たな指令案を打ち出した。

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新指令によると、EU域内で電子商取引、電話による販売、訪問販売などの遠隔取引を行うすべての事業者は、契約に先立ち製品に関する詳細説明、価格(税金を含む)や送料、販売業者の所在地などに関する正確な情報を消費者に提供しなければならない。また、事業者は配達の遅れや商品の紛失など、配送中のトラブルに関するすべての責任を負い、速やかに返金などの措置を取ることが求められる。

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一方、クーリングオフ期間は現在、国によって7日から15日とばらつきがあるが、新ルールでは14日間に統一され、事業者は解約申請の標準的な書式を用意することが義務付けられる。契約を解除した場合、消費者は14日以内に商品を返送しなければならず、送料は消費者の負担となる。さらに消費者はサービス開始後に契約を解除することもできるが、その場合は解除日までに受けたサービスの対価を支払わなければならない。

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欧州議会の法務委員会はすでに指令案を承認しており、域内市場・消費者保護委員会での審議を経て、3月の本会議での採択が見込まれる。

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