2011/2/7

総合 –EUウオッチャー

14年のエネルギー市場統合・対外政策の強化で合意=首脳会議

この記事の要約

EU加盟国は4日の首脳会議で、2014年までにエネルギー域内市場を完成させることや、エネルギー外交の強化などを柱とする議長総括を採択した。加盟国は欧州の発展と競争力強化の鍵を握るエネルギーの安定確保がEUにとって引き続き […]

EU加盟国は4日の首脳会議で、2014年までにエネルギー域内市場を完成させることや、エネルギー外交の強化などを柱とする議長総括を採択した。加盟国は欧州の発展と競争力強化の鍵を握るエネルギーの安定確保がEUにとって引き続き優先課題との認識で一致。2050年までに温室効果ガス排出量を1990年比で80-95%削減するという長期目標の達成に向け、エネルギー供給システムの改革を推進する方針で合意した。

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議長総括によると、EU加盟国は14年までにエネルギー市場を統合し、域内の電気・ガス供給網を連結してエネルギー供給が不足した場合に相互に融通できる仕組みを構築する。また、送電網インフラの近代化を加速させるため、12年末までにスマートグリッド(次世代送電網)とスマートメーター(次世代電力メータ)の技術標準を策定する。

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エネルギー外交に関しては、EU市場の天然ガス需要の3割以上を供給するロシアとの関係強化を最優先課題と位置づけ、エネルギー供給や貿易を柱とする包括協定の早期締結を目指すことで合意した。また、天然ガスや石油などの安定確保に向けて効率的に供給国との交渉を進めるため、来年1月以降、加盟国に第3国との新規または既存の契約について欧州委員会への報告を義務付け、同委から他の加盟国に通知する仕組みを導入する。

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このほか環境関連産業でEUが競争力を維持するため、2011年半ばまでに電気自動車の充電システムの技術標準を策定することも議長総括に盛り込んだ。さらに加盟国は欧州委員会に対し、EU各国で計画されているプロジェクトのうち民間からの十分な投資が期待できず、公的支援が必要なプロジェクトを選別し、今年6月までに具体的な投資規模や資金調達の方法などについて報告書をまとめるよう要請している。

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