2011/2/7

環境・通信・その他

欧州議会がWEEE指令の強化案を可決、16年から85%の回収義務化

この記事の要約

欧州議会は3日の本会議で、2016年からEU加盟国に対し、国内で廃棄された使用済み電子・電気製品の85%の回収を義務付けることを柱とする規制案を賛成多数で可決した。製造業者に廃家電の回収・リサイクルを義務づけた「使用済み […]

欧州議会は3日の本会議で、2016年からEU加盟国に対し、国内で廃棄された使用済み電子・電気製品の85%の回収を義務付けることを柱とする規制案を賛成多数で可決した。製造業者に廃家電の回収・リサイクルを義務づけた「使用済み電子・電気製品に関する指令(WEEE指令)」を厳格化する内容。途上国への違法な輸出を阻止するための新たなルールも盛り込まれている。今後、EU閣僚理事会で規制案について検討する。

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WEEE指令は廃家電による環境破壊と健康被害のリスクを最小限に抑えるため、EUが2003年に採択した規制で、06年末までに住民1人当たり年間平均4キログラムの廃家電の回収を目標に掲げ、カテゴリー別に16年までに達成すべき再生率とリサイクル率を定めている。しかし、携帯電話やパソコンなどの普及に伴い、こうした電子ごみは増え続けており、相当量が適切に回収されず、違法に埋め立てられたり、途上国に輸出されて主に金属資源として売買されている。

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欧州議会が可決したルールは大型機器、軍需製品、自動車、太陽電池など一部の例外を除き、16年以降、加盟国に使用済み電子・電気製品の85%の回収を義務付けることが柱。また、既存ルールが定める回収目標(住民1人当たり年平均4キログラムの回収)と、10年の回収実績のうち、どちらか重い方が12年に達成すべき目標に設定される。さらにEU諸国から大量の使用済み携帯電話やパソコンなどが「中古品」として途上国に輸出され、それらの機器に含まれるレアメタルがしばしば危険な環境で回収され売買されている現状を改善するため、輸出業者に輸送品が実際に使用可能な製品であることを証明する義務を負わせることも規制案に盛り込んでいる。

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