2011/2/21

産業・貿易

偽造医薬品の規制案、欧州議会が可決

この記事の要約

欧州議会は16日の本会議で、偽造医薬品の流通防止を目的とする規制案を賛成多数で可決した。インターネットでの医薬品販売を認可制にすることなどを柱とする内容。加盟国の承認を経て正式に成立する。\ EU市場で販売される医薬品の […]

欧州議会は16日の本会議で、偽造医薬品の流通防止を目的とする規制案を賛成多数で可決した。インターネットでの医薬品販売を認可制にすることなどを柱とする内容。加盟国の承認を経て正式に成立する。

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EU市場で販売される医薬品のうち、偽造品の占める割合は1%程度だが、域内に流入する偽造医薬品は年々増加しており、市場規模は年間105億ユーロに上るとされる。こうした状況を憂慮する欧州委員会は2008年、流通過程で中味が偽造医薬品にすり替えられることなどを防ぐ規制案をまとめていた。

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欧州委の原案では、インターネットでの販売は規制対象外となっていた。しかし、欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会で行われた審議では、このところネット販売が偽造医薬品流通の大きな窓口となっていることから、これも規制対象とする修正案を可決。本会議で承認された。

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法案では、インターネットでの医薬品販売に認可制を導入。認可を取得した業者はEU共通のロゴマークをウェブサイトに表示し、消費者が安心して購入できるようにする。また、加盟国は各国当局が認可した医薬品販売業者のリストをウェブサイトで示し、EUのデータベースに登録することが求められる。

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このほか、医薬品の製造から消費者の手に渡るまでの全過程を追跡できるようにするため、ネット販売を含む医薬品のパッケージに工夫を施すことも盛り込まれた。具体的にはシリアル番号を付ける案などが浮上している。詳細は欧州委が検討する。

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