2011/2/21

環境・通信・その他

軽商用車のCO2排出規制案が可決、低公害車に「スーパークレジット」

この記事の要約

欧州議会は15日の本会議で、軽商用車の二酸化炭素(CO2)排出量を規制する法案を賛成多数で可決した。EU域内で販売される新車を対象に、CO2排出量を2017年までに平均14%、20年までに27%削減することを義務付け、違 […]

欧州議会は15日の本会議で、軽商用車の二酸化炭素(CO2)排出量を規制する法案を賛成多数で可決した。EU域内で販売される新車を対象に、CO2排出量を2017年までに平均14%、20年までに27%削減することを義務付け、違反したメーカーに制裁金を科すという内容。EU加盟国の承認を経て正式決定される。

\

新たな規制の対象となるのは車両総重量3.5トン以下のバンなど。各メーカーは14-17年の間に走行1キロメートル当たりのCO2排出量を現在の平均203グラムから175グラム、20年までに147グラムに削減しなければならない。中間目標として、14年末までに70%の車両について175グラムの排出基準を満たすことが求められ、17年末までに全車両に規制が適用される。制裁金は19年から導入され、削減目標を達成できなかったメーカーは超過1グラムにつき1台当たり最大95ユーロの制裁金が科される。

\

一方、メーカーに対する奨励策として、走行1キロメートル当たりのCO2排出量が50グラム未満の低公害車を対象に、「スーパークレジット」と呼ばれる優遇措置を適用するルールが法案に盛り込まれた。具体的には14-15年に販売される低公害車について、1台販売するごとに3.5台を販売したとみなし、総排出量を換算後の「みなし台数」で割ることで、他モデルを含めた1台当たりの平均排出量を削減できる仕組み。実際の販売台数に対する乗数は、16年は2.5台、17年は1.5台と段階的に引き下げられ、優遇措置は17年末で打ち切られる。

\

欧州委員会は09年、14年から段階的に規制を導入して16年以降はすべての車両に走行1キロメートル当たりのCO2排出量を175グラムに制限するルールを適用し、20年以降は排出基準を135グラムに引き下げる規制案を打ち出した。しかし、コスト増への懸念からメーカー側が強く反発。国内に自動車産業を抱えるドイツやフランスなどの働きかけにより、原案に比べて緩やかな内容に修正された。

\