2011/2/21

環境・通信・その他

モバイル向け衛星通信サービスが難航、欧州委が21カ国に迅速対応を指示

この記事の要約

欧州委員会は17日、欧州全体をカバーするモバイル向け衛星サービスの早期導入に向け、関連する国内法の整備が遅れているEU21カ国に対し、迅速な対応を求める書簡を送ったことを明らかにした。EU加盟国は今年5月までに衛星通信を […]

欧州委員会は17日、欧州全体をカバーするモバイル向け衛星サービスの早期導入に向け、関連する国内法の整備が遅れているEU21カ国に対し、迅速な対応を求める書簡を送ったことを明らかにした。EU加盟国は今年5月までに衛星通信を利用してモバイルテレビ、高速データ通信、災害時の緊急通信などのサービスを欧州全土で利用できるようにするためのシステムを導入することで合意しているが、現時点で事業免許に関する規定などを整備していない国が大半を占める。欧州委はこのままでは計画が大幅に遅れる可能性が高いと警告し、加盟国に対しただちに必要な措置を講じるよう求めている。

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EU内で衛星通信サービスを提供する場合、事業者はこれまで国ごとに認可を得る必要があったが、こうした手続きが一本化されることで今後は国境を超えた事業展開が容易になり、有線インフラの敷設が困難な山間部などを含め、域内全体でブロードバンド通信やモバイルテレビなどの普及が進むと期待されている。欧州委は加盟国の合意を受けて08年8月に事業者の選定に入り、09年5月にインマルサット・ベンチャーズとソラリス・モバイルを衛星サービスのプロバイダに指名している。

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今回、欧州委から警告を受けたのは、EU27カ国のうちオーストリア、デンマーク、エストニア、フィンランド、ルーマニア、スウェーデンを除く21カ国。クルース副委員長(デジタルアジェンダ担当)は声明で「EU全域でモバイル向け衛星サービスの提供を可能にするため、加盟国は早急にすべての必要な措置を講じる必要がある。 EU市民と企業に革新的なサービスを提供すると共に、すべての欧州市民がブロードバンド通信を利用できるようにするというデジタルアジェンダの目標を達成するうえで、衛星通信サービスは極めて重要な役割を担っている」と強調した。

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