2011/3/7

環境・通信・その他

大気汚染で寿命が2年縮む、EUが最新調査で指摘

この記事の要約

欧州の主要都市の大気汚染を改善すれば年1万9,000人の命を救えるうえ、寿命が約2年延びて医療や欠勤による費用を315億ユーロ減らすことができる――。EUの大気汚染に関する最新調査で、こうした結果が明らかになった。\ こ […]

欧州の主要都市の大気汚染を改善すれば年1万9,000人の命を救えるうえ、寿命が約2年延びて医療や欠勤による費用を315億ユーロ減らすことができる――。EUの大気汚染に関する最新調査で、こうした結果が明らかになった。

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この調査は3年間かけて域内12カ国の25都市を対象に実施したもので、これら都市の住民数は合わせて3,900万人近くに上る。これによれば、大気中の微粒子が世界保健機関(WHO)の勧告する1立方メートル当たり10マイクログラム以下に該当したのはストックホルムだけだった。逆に最も汚染がひどかったのはブカレストで38.2マイクログラムに達し、ブタペスト(33.7マイクログラム)とバルセロナ(27マイクログラム)も高かった。このほかではローマが21.4ミリグラムで、パリとロンドンはやや低く、それぞれ16.4マイクログラムと13.1マイクログラムだった。

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微粒子は車の排気ガスから出るもので、肺の奥深くに入り込み呼吸器疾患や心臓血管疾患を引き起こす可能性がある。幹線道路の近くの居住者が影響を受けやすく、今回の調査で10都市を対象に調べたところで、小児ぜんそくの15~30%は道路付近の居住が原因となっている可能性も指摘されている。

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