2011/3/7

環境・通信・その他

魚類の海中廃棄禁止を提案、漁獲割当て政策転換へ=欧州委

この記事の要約

欧州委員会のダマナキ委員(漁業・海事担当)は1日、漁獲割当量を超過した魚類を海中に廃棄することを定めたルールを撤廃する方針を明らかにした。漁獲の際に混じって別の魚種を捕獲した場合でも割当量を超える場合には陸揚げできないた […]

欧州委員会のダマナキ委員(漁業・海事担当)は1日、漁獲割当量を超過した魚類を海中に廃棄することを定めたルールを撤廃する方針を明らかにした。漁獲の際に混じって別の魚種を捕獲した場合でも割当量を超える場合には陸揚げできないため、その場で廃棄されているが、これは逆に天然資源の浪費と批判されていた。

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国連食糧農業機関(FAO)の2004年の推計では、世界では毎年、漁獲量の8%に当たる730万トンが廃棄されている。しかし欧州ではさらに状況が深刻で、最大でホワイティングの半分が漁獲中に処分され、ヒラメなどではこれが70%に達しているとされる。

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ダマナキ委員は加盟各国の漁業担当相および欧州議会に宛てた書簡で、こうした政策を続ければ海洋生態系が破壊され危機的状況になるとともに、漁業関係者の経済基盤もむしばまれると指摘。現行の漁業政策が廃棄を促しているとして、これを転換する必要性を強調している。

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書簡では廃棄禁止を効果的に実施するために、段階的な取り組みとして遠洋漁業を手始めに海底魚に広げて廃棄禁止の対象となる魚種を毎年拡大していく方法を提案。また管理システムについては、混獲だけを管理対象にして漁獲量を全て陸揚げして魚種別漁獲量を一定割合で配分する方法、全ての漁獲量を数えてこれを漁獲割当量や混獲割当量と照らし合わせる方法を挙げている。

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