2011/3/21

総合 –EUウオッチャー

ムーディーズ、ポルトガルも格下げ

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、ポルトガルの長期国債の格付けを「A1」から2段階引き下げ、「A3」にしたと発表した。財政再建が景気見通しの悪化などにより順調に進まないと判断したため。これを受 […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、ポルトガルの長期国債の格付けを「A1」から2段階引き下げ、「A3」にしたと発表した。財政再建が景気見通しの悪化などにより順調に進まないと判断したため。これを受けてポルトガルが16日発行した10億ユーロの短期国債の利回りは4.33%となり、前回(2日)の短期国債発行時の4.05%から急上昇した。

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ポルトガルの昨年の財政赤字は国内総生産(GDP)比7.3%となり、EUの財政規律で上限となっている同3%を大幅に超過。信用不安がくすぶっている。政府は今年の赤字をGDP比4.6%まで削減することを目指して緊縮策を進めており、11日に国営企業の支出削減、年金制度の見直しを含む追加削減策を発表したばかりだ。

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しかしムーディーズは、ポルトガルの経済成長見通しが悪化していることや、政府が国営企業や銀行への金融支援を迫られる可能性があることで、赤字削減が困難として、2段階の格下げに踏み切った。今後の格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆した。

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ムーディーズは7日から10日にかけて、同じく財政危機に直面するギリシャ、スペインの格下げを発表したばかり。

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