2011/3/28

欧州ビジネスウオッチ

独テレコム、米携帯電話事業をAT&Tに売却

この記事の要約

独通信最大手のドイツテレコムは20日、米国の携帯電話サービス子会社TモバイルUSAを米通信最大手AT&Tに売却すると発表した。取引価格は390億ドル(約275億ユーロ)で、250億ドルを現金、残り140億ドルを […]

独通信最大手のドイツテレコムは20日、米国の携帯電話サービス子会社TモバイルUSAを米通信最大手AT&Tに売却すると発表した。取引価格は390億ドル(約275億ユーロ)で、250億ドルを現金、残り140億ドルをAT&T株で受け取る。今後は経営資源を欧州に集中させる意向だ。売却手続は2012年上半期の終了を見込む。

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ドイツテレコムは2001年、米携帯電話サービス大手ボイスストリーム・ワイヤレスを買収して米国市場に進出した。当初は事業が好調に推移していたものの、ブロードバンド網整備の遅れや競争激化を受けて業績が悪化。2010年は売上高が横ばいの213億ユーロ、営業利益が7%減の55億ユーロに落ち込んだ。再建には巨額の投資を要することもあり、売却に踏み切った。

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今回の取引により同社はAT&T株を最大8%取得し、監査役を1人派遣する。売却益については約130億ユーロを債務の圧縮、約50億ユーロを自社株買いに充てる意向だ。

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今後は特に南欧・東欧事業を強化する考え。新興市場に進出する計画はないという。

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