2011/3/28

欧州ビジネスウオッチ

独BASF、「サウス・ストリーム」に参加

この記事の要約

独化学大手のBASFは21日、ロシア主導の天然ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」に参加することで基本合意した。露国営ガス会社ガスプロムとの協力関係を強化。南東欧のガス販売事業を加速させる意向だ。\ サウス・ストリ […]

独化学大手のBASFは21日、ロシア主導の天然ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」に参加することで基本合意した。露国営ガス会社ガスプロムとの協力関係を強化。南東欧のガス販売事業を加速させる意向だ。

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サウス・ストリームはロシア産の天然ガスを黒海経由で南東欧、南欧、中欧に供給するプロジェクトで、ガスプロムと伊エネルギー大手のENIが立ちあげた。仏電力公社EDFの参加も決まっている。2013年に着工し、15年から供給を開始する予定だ。年間輸送量は630億立方メートルを予定している。

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BASFは同プロジェクトにエネルギー子会社ヴィンタースハルを通して15%出資する。出資額は公表されていないが、ロシアのセチン副首相は約20億ユーロとの見通しを示した。ヴィンタースハルはルーマニアやブルガリアでガス供給事業を手がけており、サウス・ストリームへの参加はエネルギー需要が拡大する両国の経済発展に寄与するとしている。

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ヴィンタースハルとガスプロムはシベリアのガス田開発とバルト海ガスパイプライン計画「ノルド・ストリーム」でも提携しており、両社の関係は今後、一段と強化される。

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サウス・ストリームはロシアへのエネルギー依存度を引き下げる目的でEUが後押しする「ナブッコ・パイプライン」計画に対抗するプロジェクト。ロシア政府はナブッコ計画をとん挫させたい考えで、同計画のガス供給予定国に圧力を行使するほか、ナブッコ・コンソーシアムの参加企業に対しサウス・ストリームへの参加を促している。

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