2011/4/4

総合 –EUウオッチャー

S&P、ポルトガルとギリシャを格下げ

この記事の要約

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3月29日、財政危機に直面するポルトガル、ギリシャの長期国債の格付けを引き下げた。ポルトガルは1段階引き下げられ、投資適格ぎりぎりの「トリプルBマイナス」に […]

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3月29日、財政危機に直面するポルトガル、ギリシャの長期国債の格付けを引き下げた。ポルトガルは1段階引き下げられ、投資適格ぎりぎりの「トリプルBマイナス」に格下げ。すでに投機的水準となっていたギリシャは2段階格下げされ、「ダブルBマイナス」となった。

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S&Pはポルトガルについて、財政赤字削減に向けた追加緊縮策が議会で否決され、EUへの金融支援要請が避けられない見通しが強まったとして、24日に長期国債を2段階格下げしたばかり。25日に閉幕したEU首脳会議で、財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」を2013年半ばから引き継ぐ「欧州安定メカニズム(ESM)」について、支援対象国となった国債の保有者にも一定の負担を迫ることが採択されたことから、追加の格下げに踏み切った。ポルトガル長期国債は、あと1段階格下げされると投機的水準となる。

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一方、ギリシャはユーロ圏の信用不安の震源地で、すでにEUと国際通貨基金(IMF)による総額1,100億ユーロの支援が決定している。S&Pは今回、同国の財政再建は困難で、追加支援を要請する可能性が高いとして、格付けを2段階引き下げた。ポルトガルと同じく、ESMで投資家が損失を被りかねないことも考慮した。

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