2011/4/4

欧州ビジネスウオッチ

独シェフラー、コンチネンタル株を部分放出

この記事の要約

独ベアリング大手のシェフラーは3月28日、銀行に信託管理を委ねている自動車部品大手コンチネンタルの株式の一部を市場に放出した。売却益で債務を圧縮。事業資金を拡大する意向だ。\ シェフラーは2008年8月、コンチネンタル株 […]

独ベアリング大手のシェフラーは3月28日、銀行に信託管理を委ねている自動車部品大手コンチネンタルの株式の一部を市場に放出した。売却益で債務を圧縮。事業資金を拡大する意向だ。

\

シェフラーは2008年8月、コンチネンタル株を計49.9%取得し実質買収することで合意。株式公開買い付け(TOB)を実施した。TOBで確保した株式が49.9%を超えた場合は超過分を放出する取り決めとなっていたが、リーマンショックで株価が下落したため、放出できずに銀行に管理を委ねていた。また、TOB費用を銀行融資でまかなったため、巨額の債務を抱え込んでいた。

\

コンチネンタルの株価が簿価(1株当たり63ユーロ)に近い水準まで回復したため、シェフラーはプライベートバンク2行に預けていたコンチネンタル株のうち15%に相当する2,970万株を1株当たり60ユーロで放出した。また、債務の一部を事業会社シェフラーGmbHに移管するなどの措置も実施した。これらの措置により、同社の有利子債務は74億ユーロから46億ユーロへと減少し、年利も従来の最大17%から10%未満に低下したという。シェフラーはこのほか、2行が預かるコンチネンタル株のうち1,550万株を取得し、出資比率を従来の42.2%から49.9%へと引き上げた。

\

今回の措置により、シェフラーが直接・間接的に保持するコンチネンタルは75.1%から60.7%へと低下。コンチネンタルは浮動株比率が24.9%から39.7%へと上昇し、DAX(ドイツ株価指数)に復帰する可能性が高まっている。

\