2011/4/18

産業・貿易

パレスチナの農業製品に関税撤廃、果実・野菜除く全製品対象に

この記事の要約

EUは13日、パレスチナのヨルダン川西岸とガザ地区からEUに輸出される農産物、水産物に対する関税撤廃を決めた。EUのアシュトン外交安全保障上級代表(EU外相)とパレスチナ自治政府のファイヤド首相が協定に締結したもので、即 […]

EUは13日、パレスチナのヨルダン川西岸とガザ地区からEUに輸出される農産物、水産物に対する関税撤廃を決めた。EUのアシュトン外交安全保障上級代表(EU外相)とパレスチナ自治政府のファイヤド首相が協定に締結したもので、即時に適用される。

\

アシュトン外相は、「通商促進は、EUが政治的・経済的に支援するパレスチナの国家建設プロセスで重要な要素」として、協定は支援を具体的に示したものと強調している。関税撤廃の対象となるのは果実と野菜を除く全ての農業製品、農業加工品、水産物。果実と野菜についてはEU内の生産者を保護するため参入価格制度を導入し、この価格を下回る場合には関税が適用される。協定は10年間の期限付きだが延長される可能性があるほか、5年後には見直しを行う。

\

EUは2005年に採択した「農業のための欧州地中海ロードマップ」に沿って、パレスチナとの交渉を開始していた。すでにパレスチナとは暫定連合協定により工業製品に対してはEUの輸入関税を免除している。2009年のEUとパレスチナの貿易総額は5,660万ユーロにすぎず、このうち5,050万ユーロがEUからの輸出だった。EUのパレスチナからの輸入額のうち70.1%は農業製品となっている。

\