2011/5/2

産業・貿易

伊政府が原発再開計画を断念、日本の事故受け無期棚上げに

この記事の要約

イタリア政府は19日、原子力発電所の再開計画を無期限に棚上げすることを決めた。福島第一原発の事故を受けて、原発推進に対する国民の反発が強まっており、6月半ばに予定されていた国民投票で反対が多数となる公算が大きいと判断した […]

イタリア政府は19日、原子力発電所の再開計画を無期限に棚上げすることを決めた。福島第一原発の事故を受けて、原発推進に対する国民の反発が強まっており、6月半ばに予定されていた国民投票で反対が多数となる公算が大きいと判断した。

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政府は上院に提出した法案を修正し、新原発の建設予定地の選定手続きを定めた条項を廃止し、新たなエネルギー戦略を策定する計画を盛り込んだ。ロマーニ経済発展相は「日本の事故で全てが変わった」として、エネルギー戦略の転換でドイツなどと歩調を揃えることを明らかにしている。

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イタリアでは旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故後の1987年に、国民投票で原発の廃止を決めた。しかしエネルギーの国外依存度が約86%に達していることから、ベルルスコーニ政権は昨年11月に原発の再開に向けて動き出した。ところが福島第一原発の事故で風向きが変わり、政府も当初は1年間の再開停止を決めていた。

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今回の再開断念については、国民投票の無効化を狙ったもので政府は一定期間が過ぎれば再開に向けた手続きに入る意向との見方もある。

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