スペイン中央銀行が6日発表した2011年1-3月期の国内総生産(GDP)実質伸び率は前期比0.2%となり、前の期と同水準の成長を記録した。同国は深刻な財政危機に陥っているが、輸出が伸びたほか、観光業が回復し、プラス成長を確保した。前年同期比では0.7%増で、伸び率は前期の0.6%を小幅ながら上回った。
\財政危機に直面する南欧諸国では、ギリシャ、ポルトガルでマイナス成長が続いている。スペイン中銀は声明で、1-3月期に小幅ながらもプラス成長を維持したことで「スペインは国債市場の緊張で大きな影響を受けている諸国とは異なる位置にいる」とコメントした。
\ただ、政府は2010年にマイナス0.1%だった通年成長率をプラス1.3%に引き上げることを目標に掲げており、このペースでは目標達成は難しい。市場では、財政赤字削減やEU最高水準にある失業率の改善にも、0.2%という成長率では不足と指摘する声が多い。
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