2011/5/16

産業・貿易

EUとリベリアが違法伐採対策で協定、木材取引の規制を強化

この記事の要約

EUとリベリアは6日、違法伐採された木材および関連製品のEU向け輸出を禁止する自主的2カ国間協定(VPA)に調印した。これにより、西アフリカに現存する熱帯雨林の多くが集中するリベリアには2014年以降、家具やバイオ燃料用 […]

EUとリベリアは6日、違法伐採された木材および関連製品のEU向け輸出を禁止する自主的2カ国間協定(VPA)に調印した。これにより、西アフリカに現存する熱帯雨林の多くが集中するリベリアには2014年以降、家具やバイオ燃料用のウッドチップをはじめ、輸出するすべての木材製品に産出国を明記した証明書の添付が義務付けられる。

\

同協定の発効までに、リベリアは国内で生産された木材製品が合法的に産出されたものであることを証明するための制度を設ける。対象はEU向けの輸出品だけでなく、国内向けも含めたすべての木材製品。一方、EUは今後、リベリア製の木材関連製品には輸出量規制などを設けないことを保証する。リベリアの林業改革も同時に目指す協定は、同国内の木材取引の透明性強化とともに、不法伐採による環境悪化とそれに起因する地球温暖化の防止対策にもつながると期待される。

\

世界銀行によれば、内戦が続いた1989年以降、リベリアでは木材関連業界の汚職により当時の国家予算の50%が失われていた可能性があるという。不法伐採が大幅に増加し、違法木材の販売から得た収入が、内戦を長引かせていた。また、2003年の木材製品の輸出先は、半数以上がEU向けだった。EUの推計によると、世界全体で生産される木材製品(年間約100億ドルに相当)の20~40%が不法伐採された木材を原料としており、その最大約20%がEU向けに輸出されている。

\

なお、EUが途上国との間で締結するVAP協定は、今回が6番目。これまでに、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ガーナ、インドネシアと同協定に調印している。

\