2011/5/23

環境・通信・その他

域内クラウド戦略策定へ、欧州委が諮問開始

この記事の要約

欧州委員会は16日、来年の「欧州クラウドコンピューティング戦略」発表に向けた諮問作業を開始した。クラウドコンピューティングの利点をいかにして最大限に活用するかについて企業など各方面からの意見を集めた上で、データ保護やプラ […]

欧州委員会は16日、来年の「欧州クラウドコンピューティング戦略」発表に向けた諮問作業を開始した。クラウドコンピューティングの利点をいかにして最大限に活用するかについて企業など各方面からの意見を集めた上で、データ保護やプライバシー関連の法的枠組みの整備を急ぐ方針だ。意見は8月末まで受け付ける。

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欧州委によると、クラウドコンピューティングがEU域内にもたらす利益は、2014年には350億ユーロに達する見通し。クラウド技術はすでにグーグルの「Gメール」をはじめとしたウェブベースの電子メールサービスや、ヤフーの写真共有サービス「フリッカー」などで幅広く利用されている。インターネット上にデータを遠隔保存することから、ハードウエア、ソフトウエアともに利用効率が向上し、コスト削減と同時にエネルギー利用の抑制も期待できるなど、クラウド技術関連のサービスは今後、新たな業種として大きく成長することが見込まれている。域内の通信およびテクノロジー関連企業にとっては、大きなビジネスチャンスとなる。

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欧州委員会のクルース副委員長(デジタル政策担当)は、「クラウド技術にはコスト削減とサービス向上、そして新たなビジネス機会の創出という潜在的利益がある。こうした潜在性を最大限に活用するためには、明確な戦略が必要だ」との見解を示している。

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