2011/5/30

総合 –EUウオッチャー

ギリシャが国営企業の民営化開始、通信会社OTEなど対象に

この記事の要約

ギリシャ政府は23日、財政赤字削減に向けた国営企業の民営化を迅速に進める方針を打ち出した。財政再建の強化を求めるEUからの圧力が強まっていることを受けたもので、バルカン地域で最大の通信会社OTEなどの政府保有株を即座に売 […]

ギリシャ政府は23日、財政赤字削減に向けた国営企業の民営化を迅速に進める方針を打ち出した。財政再建の強化を求めるEUからの圧力が強まっていることを受けたもので、バルカン地域で最大の通信会社OTEなどの政府保有株を即座に売却する。

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ギリシャは2月に国営企業の民営化計画を発表した。しかし、具体的な進展はなく、EUから批判を浴びていた。

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パパコンスタンティヌ財務相が発表した民営化計画によると、OTEのほか国営ギリシャ電力会社(PPC)、郵貯銀行ヘレニック・ポストバンク、港湾運営会社などの株式を6月末までに売却。その他の民営化も迅速に進める。

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ギリシャは昨年5月、EUと国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることが決定。すでに一部の融資が4回に分けて実行されている。しかし、財政赤字削減の難航によって信用不安が拡大し、10年物国債の利回りは最高記録更新を続け、23日には17%を超える水準まで上昇している。このため国債償還の資金を市場で調達するのは困難で、EUとIMFの融資に頼らざるを得ない状況にある。

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ギリシャはEUとIMFから第5弾の融資(120億ユーロ)実施の承認を取り付けるため、今回の計画を打ち出した。民営化とは別に、ソフトドリンクや天然ガスへの特別課税、追加の年金削減などにより、今年の赤字削減を約60億ユーロ上乗せすることも発表した。

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