2011/5/30

競争法

仏スエズなど2社に制裁、談合めぐる調査の妨害で

この記事の要約

欧州委員会は24日、仏公益事業大手GDFスエズの子会社で水道・浄水事業を手掛けるスエズ・アンビロヌマンが、欧州委による競争法上の調査を妨害したとして、同社および子会社のリヨネーズ・デゾーに総額800万ユーロの制裁金支払い […]

欧州委員会は24日、仏公益事業大手GDFスエズの子会社で水道・浄水事業を手掛けるスエズ・アンビロヌマンが、欧州委による競争法上の調査を妨害したとして、同社および子会社のリヨネーズ・デゾーに総額800万ユーロの制裁金支払いを命じた。

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欧州委は2010年4月、フランスの水道・浄水会社が地方自治体の公共入札で談合し、価格を吊り上げた疑いがあるとして、複数の企業への立ち入り調査を実施。リヨネーズ・デゾーで調査を行った際、押収文書が一時保管されていた部屋の封印を同社の社員が破ったことが発覚し、証拠隠滅の疑いで調査を進めていた。

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スエズ・アンビロヌマンとリヨネーズ・デゾーは、社員による封印破りを認めたが、故意ではなく、調査を妨害する意図はなかったと弁明していた。しかし、欧州委は封印破りを重大なEU競争法違反行為として、制裁に踏み切った。

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EUでは同様のケースで、独エネルギー最大手のエーオンが立ち入り調査を受けた際、証拠隠滅のため封印された部屋に侵入したとして、08年に3,800万ユーロの罰金支払いを命じた例がある。スエズの場合、封印破りを認め、その後の調査に協力したことから、制裁金は低めに抑えた。

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