2011/6/6

環境・通信・その他

欧州で大腸菌感染が拡大、感染者2千人超える

この記事の要約

ドイツを中心に欧州で腸管出血性大腸菌「O104」の感染が拡大している。世界保健機関(WHO)によると、4日までに感染者数は2,000人以上に達し、19人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群などで死亡した。事態の深刻化 […]

ドイツを中心に欧州で腸管出血性大腸菌「O104」の感染が拡大している。世界保健機関(WHO)によると、4日までに感染者数は2,000人以上に達し、19人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群などで死亡した。事態の深刻化を受け、EUは6日にルクセンブルクで保健相理事会を開き、この問題を集中討議することを決めた。

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O104の発症が確認されたのはドイツ、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フランス、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、ポーランド。2日には米国でも感染例が報告された。

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ドイツでは5月中旬以降、北部のハンブルクやシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州でO104への感染が急速に広がった。独衛生当局は当初、スペイン産キュウリが感染源と発表。このため欧州各国でスペイン産の野菜や果物の販売を自粛する動きが広がった。しかし、衛生当局はその後、問題のキュウリの菌が患者から検出された菌と異なっていたとして発表を撤回した。スペインのサパテロ首相は2日、自国産キュウリの販売が風評被害によって大幅に落ち込んだ事態を受け、欧州の関係当局に補償措置を求める考えを示した。スペイン青果物輸出業者連盟(FEPEX)によると、今回の騒動により1週間で2億ユーロ以上の損害が出たという。

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WHOは、今回検出された大腸菌は極めて毒性が高く特異な性質を持っており、これまで知られていない新種の可能性があると指摘。健康被害の拡大を防ぐため、感染経路の特定を急ぐ方針を明らかにした。

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