2011/7/4

欧州ビジネスウオッチ

VW、MAN監査役会への役員増派見合わせ

この記事の要約

独自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は6月27日、同社が約30%出資するトラック大手MANの監査役会への役員増派を見合わせると発表した。EUの欧州委員会が難色を示したためで、MANの経営側代表監査役の過半数をVWが […]

独自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は6月27日、同社が約30%出資するトラック大手MANの監査役会への役員増派を見合わせると発表した。EUの欧州委員会が難色を示したためで、MANの経営側代表監査役の過半数をVWが派遣するという計画はひとまず棚上げとなった。

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VWは同社と子会社スカニアおよびMANの3社からなるトラック分野の連合を実現する計画で、5月にはMANに対する株式公開買い付け(TOB)方針を打ち出した。出資比率を30%超に引き上げて調達共同化のネックとなっているカルテル法上の問題をクリアすることが狙いで、現在、欧州委が計画を審査している。

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MANの経営側代表監査役は計8人で、現在はうち3人をVWが派遣している。VWはこれを過半数の5人に増やしMANへの影響力を大幅に強化したい考えで、27日開催のMANの株主総会でVWのヴィンターコルン社長、ペッチュ取締役(財務担当)、ハイツマン取締役(商用車事業担当)の3人を監査役に選任させる考えだった。だが、欧州委は競争法上の審査が終了するまで3人の選任を見合わせるよう求めたという。3人は商用車子会社スカニアの監査役を務めており、同じ商用車メーカーのMANの監査役を審査の終了前に兼任するのは好ましくないと同委は判断したようだ。

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