2011/7/4

欧州ビジネスウオッチ

ロンドン・トロント証取、合併を断念

この記事の要約

ロンドン証券取引所(LSE)とトロント証券取引所を運営するカナダのTMXグループは6月29日、合併を断念すると発表した。両社は2月、LSEがTMXを買収する形での合併で合意していたが、カナダ国内でTMXが外資の傘下に入る […]

ロンドン証券取引所(LSE)とトロント証券取引所を運営するカナダのTMXグループは6月29日、合併を断念すると発表した。両社は2月、LSEがTMXを買収する形での合併で合意していたが、カナダ国内でTMXが外資の傘下に入ることへの反発が強まり、TMXは合併実現に必要な株主の支持を得ることができなかった。世界で証券取引所の合従連衡の動きが強まる中、LSEは他社との合併を模索するとみられる。

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LSEとTMXは株式交換により経営統合する計画だった。合併後の出資比率はLSE側が55%、TMX側が45%。これに対するカナダ国内の批判が強まる中、カナダの大手銀行、保険会社、年金基金13社が集まって「メープル・グループ・アクイジション」を結成し、TMXにLSEを上回る条件での買収を提案。この影響で、TMXは30日の年次株主総会までLSEとの合併に必要な株主の3分の2の承認を得ることができなくなり、計画を断念した。これに伴いにTMX は違約金としてLSEに1,030万ドルを支払う。

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TMXは今後、メープルと買収協議を行う見込み。一方、LSEも他社との合併を検討するとの見方が出ており、候補としてナスダックOMXの名前が浮上している。

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