2011/7/4

欧州ビジネスウオッチ

太陽電池ソーラーワールド、アジア撤退

この記事の要約

太陽電池大手の独ソーラーワールドは6月29日、韓国の合弁会社の資本50%を同日付で提携先のソーラーパークに売却したと発表した。品質とコストの観点からドイツ本国と北米に生産拠点を集約した方が得策と判断。アジアの生産事業から […]

太陽電池大手の独ソーラーワールドは6月29日、韓国の合弁会社の資本50%を同日付で提携先のソーラーパークに売却したと発表した。品質とコストの観点からドイツ本国と北米に生産拠点を集約した方が得策と判断。アジアの生産事業からは全面撤退し、同地への工場進出を図る競合に一線を画した。

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ソーラーワールドは2008年、ソーラーパークと共同で折半出資の合弁生産会社を韓国に設立。フランク・アスベック社長によると、十分な利益を上げてきた。ただ、アジアで生産したモジュールは品質が低く、25年間品質を保証するというソーラーワールドの基準を満たせないという。

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西欧や北米は人件費が高いという問題については、工場の近代化を通して解決した。米独工場の製造コストに占める人件費の割合はすでに10%を切っており、生産拠点の選定に占める人件費の比重は小さいという。

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アジアから欧州・北米への輸送費が欧州・北米からアジアへの輸送費を大幅に上回ることも、生産拠点をドイツと米国に集約する決定を後押しした。今後はアジア向けの製品を独フライベルク工場と米国のキャマリロ工場(カリフォルニア州)、ヒルズボロ工場(オレゴン州)から出荷する。

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