2011/7/11

総合 –EUウオッチャー

EUの自殺者、金融危機を機に急増=英医学誌

この記事の要約

EU内の自殺者が2008年の金融危機を機に急増しているという調査結果が、8日発行の英有力医学誌『ランセット』に掲載された。とくにギリシャ、アイルランドでの自殺者増加が目立つという。\ 『ランセット』に掲載されたのは、ケン […]

EU内の自殺者が2008年の金融危機を機に急増しているという調査結果が、8日発行の英有力医学誌『ランセット』に掲載された。とくにギリシャ、アイルランドでの自殺者増加が目立つという。

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『ランセット』に掲載されたのは、ケンブリッジ大学、ロンドン大学、カリフォルニア大学の研究者が共同でまとめた論文。これによると、英国、オーストリア、アイルランド、フィンランド、オランダ、ギリシャ、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、リトアニアのEU10カ国を対象に、2007年から09年にかけての自殺動向を調べたところ、リーマンショックに端を発した世界的な金融危機が発生した08年には、西欧6カ国の自殺者が約7%増加。とくに大きな打撃を受けたギリシャで17%、アイルランドで13%増えた。東欧4カ国の自殺増加率は1%未満にとどまった。

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また、09年の自殺者が07年を下回ったのはオーストリアだけで、残る9カ国では軒並み5%を超える増加となったという。

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ケンブリッジ大学の研究者によると、自殺者のうち金融危機による失業、生活苦などが原因となった人が具体的にどれだけいるかについては、現時点ではデータ不足で不明。今後の研究で因果関係を追究していく方針という。

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