2011/7/11

総合 –EUウオッチャー

北朝鮮に緊急食糧支援、1千万ユーロ分を提供

この記事の要約

欧州委員会は4日、深刻な食糧不足に直面している北朝鮮に対し、緊急支援としてコメ、大豆、トウモロコシなど約2万トン(1,000万ユーロ相当)の穀類を提供すると発表した。向こう4~6カ月にわたり、世界食糧計画(WFP)と協力 […]

欧州委員会は4日、深刻な食糧不足に直面している北朝鮮に対し、緊急支援としてコメ、大豆、トウモロコシなど約2万トン(1,000万ユーロ相当)の穀類を提供すると発表した。向こう4~6カ月にわたり、世界食糧計画(WFP)と協力して実施する。

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主な支援対象は、北朝鮮北部および東部の乳幼児、妊婦や乳幼児の母親、高齢者、入院患者。欧州委のゲオルギエワ委員(国際協力・人道支援・危機対応担当)は、同国の食糧不足は深刻な状態にあり、約65万人が栄養失調で入院するなど、命が脅かされていると指摘。また、対象者以外に食糧が配給されていることが確認された場合は「支援を即刻、中止する」と述べ、これまでにない厳格な監視のもとで配給を行うと強調した。北朝鮮政府も、こうした方針に同意しているという。

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EUは先月、北朝鮮に専門家を派遣して病院や保育施設、市場、共同農場などを視察して食糧支援の必要性について詳しい調査を実施し、2008年以来中止していた食糧支援の再開を決めた。悪天候で穀物の収穫量が激減したことに加え、同国への食糧支援を行う中国もまた、洪水や干ばつの被害で収穫量を大きく減らしていることから、状況は大幅に悪化していると判断したためだ。EUは1995年から2008年までの間に、食糧支援や医療支援などとして1億2,400万ユーロを北朝鮮に提供している。

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