2011/8/1

総合 –EUウオッチャー

7月のユーロ圏インフレ率、2.5%に低下

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが7月29日発表したユーロ圏の同月の消費者物価指数上昇率(インフレ率、速報値)は前年同月比2.5%となり、前月の2.7%から0.2ポイント低下した。インフレ率低下は市場の予想外。依然として欧州中央 […]

EU統計局ユーロスタットが7月29日発表したユーロ圏の同月の消費者物価指数上昇率(インフレ率、速報値)は前年同月比2.5%となり、前月の2.7%から0.2ポイント低下した。インフレ率低下は市場の予想外。依然として欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を大きく上回っているものの、早期の追加利上げは見込み薄となってきたようだ。

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ECBは7月初めの定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を0.25ポイント引き上げ、年1.5%とすることを決めた。物価上昇圧力が強まっていることを受け、4月に続く引き締めに踏み切った。

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トリシェ総裁は同理事会後の記者会見で、今後の物価動向を「非常に注意深く見守っていく」と述べ、必要に応じて再利上げに踏み切る用意があることを示唆。市場では早ければ10月にも追加利上げがあるとの観測が浮上していた。しかし、7月のインフレ率が低下に転じたことや、ユーロ圏で信用不安がくすぶり、景況感も悪化していることから、市場ではECBが利上げを当面見送るとの見方が急浮上している。

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