スイス中央銀行のスイス国立銀行(SNB)は3日、政策金利である3カ月物の銀行間取引金利の誘導目標を0.0~0.75%から0.0~0.25%に引き下げると発表した。スイスフラン高の進行を食い止めるため、事実上のゼロ金利政策に踏み切った。
\スイスフランはユーロ圏の財政危機、米国の債務問題を受けて、行き場を失った資金の買いが殺到し、対ユーロ、ドルで急上昇が続いていた。2日のニューヨーク外国為替市場では、対ユーロで2.8%高となり、2009年3月以来最大の上げ幅を記録した。
\SNBはこうした状況に対して、スイスフランが「過大評価」され、国内経済を脅かしているとして、緊急利下げを決めた。このほか通貨高対策として、金融市場へのスイスフラン供給を増やし、さらに要求払い預金を300億スイスフランから800億スイスフランに拡大する量的緩和も打ち出した。
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