2011/9/19

産業・貿易

音楽録音物の著作権保護、50年から70年に延長

この記事の要約

EUは12日の閣僚理事会で、音楽録音物に関する演奏者とレコード・CD製作者の著作権保護期間を現行の50年から70年に延長する指令案を承認した。平均寿命が伸びるなかで、演奏者やプロデューサーが生涯にわたって著作権収入を得ら […]

EUは12日の閣僚理事会で、音楽録音物に関する演奏者とレコード・CD製作者の著作権保護期間を現行の50年から70年に延長する指令案を承認した。平均寿命が伸びるなかで、演奏者やプロデューサーが生涯にわたって著作権収入を得られる仕組みを整えるのが狙い。

\

現行のEU指令は、作詞家や作曲家の著作権保護期間を死後70年間とする一方、演奏者については録音から50年を保護期間と定めている。理事会は保護期間の延長を決めた理由として、「演奏者は多くの場合、若いころから活動しており、50年間の保護では生涯にわたる保護を与えられないことが多い」と説明した。

\

欧州委員会は2008年7月、演奏者が生存中に著作権が切れてしまい、著作権収入が得られなくなるケースを回避するため、保護期間を95年に延長するよう提案した。しかし、一部の加盟国が反対したため、欧州議会は09年4月、妥協案として保護期間を70年とすることを決めた。新指令には保護期間の延長のほか、レコード会社に権利を移管した演奏家について、期間延長のメリットを享受できるよう、一定条件の下で権利を取り戻すことができることなども盛り込まれている。

\

著作権の保護をめぐっては、英歌手のクリフ・リチャードや元ビートルズのポール・マッカートニーなど著名なミュージシャンが期間の延長を訴えていた。指令案が可決されたことを受け、国際レコード産業連盟(IFPI)、独立系音楽企業協会協会(IMPALA )など国際的音楽団体は、相次いで歓迎するコメントを発表している。

\