2011/9/19

総合 –EUウオッチャー

今年のユーロ圏成長率は1.6%、10-12月はゼロ成長寸前=欧州委予測

この記事の要約

欧州委員会は15日発表した暫定経済予測で、2011年のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)成長率を1.6%とし、春季予測(5月)と同水準に据え置いた。ただ、下期は世界経済の減速による輸出の伸び悩み、金融市場の混乱などを考慮 […]

欧州委員会は15日発表した暫定経済予測で、2011年のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)成長率を1.6%とし、春季予測(5月)と同水準に据え置いた。ただ、下期は世界経済の減速による輸出の伸び悩み、金融市場の混乱などを考慮して下方修正。10-12月期はゼロ成長寸前まで落ち込むと予想している。(表参照)

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欧州委は春と秋に詳細な経済予測を発表するが、中間期に暫定的な予測を出している。今回の暫定予測はドイツ、フランス、イタリア、英国、スペイン、オランダ、ポーランドのEU主要7カ国のデータに基づいてまとめたもの。EU27カ国ベースの予想成長率は1.7%で、春季の1.8%から0.1ポイント引き下げた。

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ユーロ圏は1-3月期に前期比0.8%の成長を記録。4-6月期の成長率は0.2%に縮小した。欧州委は1~3月の成長率が予想を上回る水準に達したため、通期の予想を据え置いたものの、下期については輸出の悪化や信用不安による金融市場の動揺が個人消費、設備投資に打撃を与えるのは必至として、予想成長率を0.5ポイント下方修正。7-9月期は0.2%、10-12月期は0.1%に設定した。イタリアは両四半期にゼロ成長になると見込んでいる。

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通期の予想成長率はポーランドが4%で最高。イタリアが0.7%で最低だった。最大の経済国であるドイツは2.9%。

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