2011/10/3

欧州ビジネスウオッチ

日清紡、ブレーキ摩耗材のTMD買収

この記事の要約

日清紡は9月26日、ルクセンブルクに本社を置くブレーキ用摩耗材メーカーTMDフリクションを完全買収すると発表した。グローバルプレーヤーとしての地位を強化する狙いで、独禁当局の承認を経て取引が成立すると、同社は当該分野の世 […]

日清紡は9月26日、ルクセンブルクに本社を置くブレーキ用摩耗材メーカーTMDフリクションを完全買収すると発表した。グローバルプレーヤーとしての地位を強化する狙いで、独禁当局の承認を経て取引が成立すると、同社は当該分野の世界シェアが約15%に拡大し、最大手メーカーに浮上する。買収金額は4億4,000万ユーロ。

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TMDはドイツや英国など欧州のほか、中国、米国、南米に工場を持つ。欧州で主流となっている高摩擦係数のLS材ディスクパットに強い。2010年の売上高は6億3,700万ユーロ。金融危機が発生した2008年に倒産し、ロシア系の英投資会社パンプローナに買収された。パンプローナはTMDの新規株式公開(IPO)も検討していたが、市場環境の悪化を受けて直接売却に踏み切ったもようだ。

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日清紡は日本、韓国、北米、中国、タイ、インドにブレーキ用摩耗材工場を持ち、TMDとは地理的に補完性が高い。ブレーキパットに関しても日本で主流となっている低ノイズのNOA材を主に手がけるため、LS材中心のTMDを傘下に収めると製品ラインアップを拡充できる。

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