2011/10/10

産業・貿易

プレミアリーグ視聴料の国別格差、欧州裁が違法と判断

この記事の要約

欧州司法裁判所は4日、英プレミアリーグ(EPL)などスポーツの試合中継について、有料放送を視聴する際の料金が加盟国によって異なるのはサービス提供の自由というEUの原則に違反するとの判断を下した。試合の放送権保有者が今後、 […]

欧州司法裁判所は4日、英プレミアリーグ(EPL)などスポーツの試合中継について、有料放送を視聴する際の料金が加盟国によって異なるのはサービス提供の自由というEUの原則に違反するとの判断を下した。試合の放送権保有者が今後、ビジネスモデルや視聴料の料金体系の見直しを迫られることになる可能性も出てきた。

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この問題は、英国のあるパブ経営者がギリシャからデコーダーカードを入手し、安い料金でEPLのサッカーの試合を視聴していたことに対し、EPLが違法行為として提訴したのが発端。デコーダーカードを外国から購入・輸入・使用することは加盟国の法律で禁じられているが、実際には視聴は可能で、このパブ経営者は2004年、EPLの試合を見るために加入していたBスカイBを解約し、ギリシャのノバと契約していた。ノバの年間視聴料が800ポンドであるのに対し、BスカイBの視聴料が月額700ポンドだったのが理由だ。英地裁は経営者に約8,000ポンドの罰金と裁判費用の支払いを命じたが、この判決を不服として、経営者がECJに提訴していた。

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この件はEU法に基づき、改めてロンドンの高等法院で審議されるが、域内全体にかかわる問題であることから、欧州司法裁の判断に従った判決となる公算が大きいとみられる。

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