2011/10/10

環境・通信・その他

EUがアルバニアに検察官を派遣、コソボ臓器密売疑惑問題で

この記事の要約

1990年代末のコソボ紛争時に、捕虜の臓器が組織的に売買されていた疑いが浮上している問題で、EUコソボ派遣団のマルナック代表は5日、調査のため近くアルバニアに検察官を派遣する考えを明らかにした。\ この問題は、2008年 […]

1990年代末のコソボ紛争時に、捕虜の臓器が組織的に売買されていた疑いが浮上している問題で、EUコソボ派遣団のマルナック代表は5日、調査のため近くアルバニアに検察官を派遣する考えを明らかにした。

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この問題は、2008年に旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷の主任検事を務めたデル・ポンテ氏が著書の中で取り上げたことをきっかけに注目が集まり、昨年には欧州評議会法務人権委員会のメンバーであるスイスのマーティー上院議員が、コソボのサチ首相をはじめとするアルバニア系武装組織「コソボ解放軍(KLA)」の幹部が、コソボ紛争中にアルバニア北部でセルビア人やKLAと対立したアルバニア人らを秘密裏に拘束して殺害し、摘出した臓器を違法に売りさばいていたとする内容の報告書を発表した。コソボやアルバニアの当局は、こうした疑惑を否定している。

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マルナック代表は会見で、「調査が明解な結論にたどりつき、物語が終わりを迎えることは地域全体のためになる」と述べ、調査の意義を強調した。会見に同席したアルバニアのハジナスト副首相兼外相は、調査に全面的に協力する姿勢を示し、「調査によって疑惑が誤りであることが証明され、この問題が完全に終息することを確信している」と述べた。

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一方、コソボの首都プリシュティナでは4日、国際的な臓器売買に関与したとされる7人のコソボ人被告の裁判が始まった。起訴状によると、厚生省の元高官や医師を含む被告が、東欧や中央アジア出身の困窮している人たちに金銭と引き換えに腎臓を提供するよう持ちかけ、摘出した臓器を最高10万ユーロで売っていたとされる。なお、裁判は証人保護のため非公開で行われている。

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