2011/10/17

総合 –EUウオッチャー

対ギリシャ第6弾融資は11月実施、EU・IMFが決定

この記事の要約

深刻な財政危機に直面するギリシャへの追加融資実施の可否を判断するため同国の財政再建状況を審査していた欧州委員会と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の合同調査団は11日、80億ユーロに上る次回融資が11月初めに […]

深刻な財政危機に直面するギリシャへの追加融資実施の可否を判断するため同国の財政再建状況を審査していた欧州委員会と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の合同調査団は11日、80億ユーロに上る次回融資が11月初めにも実施されるとの見通しを示した。これによってギリシャはとりあえずデフォルト(債務不履行)の危機を回避することになる。

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ギリシャは昨年5月、EUとIMFから3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を取り付け、これまでに5回にわたって融資を受けた。

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第6弾融資をめぐっては、8月末に審査が開始されたが、融資の前提となる財政再建が停滞し、今年の財政赤字が当初目標の国内総生産(GDP)比7.6%を上回る8.5%に上る見通しとなったことから、一度は中止された。しかし、ギリシャ政府が不動産税の導入など追加の赤字削減策を決めたことから9月末に審査を再開。その結果、2012年までの財政再建目標は達成可能と判断し、第6弾融資にゴーサインを出した。同融資はユーロ圏財務相会合、IMF理事会の承認を経て実施される見通し。

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ギリシャは11月中に第6弾融資を受けなければ、デフォルトに追い込まれる状況にあった。その危機は当面、回避されることになったものの、追加融資がなければデフォルトに陥るという危機的状況に変わりはない。追加融資を必要とするごとに審査をパスしなければならず、綱渡り状態が続く。合同審査団は、2013年以降の財政再建計画を予定通り進めるためには、一層の構造改革や国営企業民営化などが必要と指摘しており、ギリシャ政府は新たな赤字削減策をまとめる必要に迫られそうだ。

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