2011/11/7

競争法

独取引所との合併、断念も=NYSEユーロネクスト

この記事の要約

ニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストのダンカン・ ニーダーアウアー最高経営責任者(CEO)は2日、アナリストとの会合でドイツ取引所との合併計画について言及し、認可の条件として欧州委員会から主要な事業 […]

ニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストのダンカン・ ニーダーアウアー最高経営責任者(CEO)は2日、アナリストとの会合でドイツ取引所との合併計画について言及し、認可の条件として欧州委員会から主要な事業の売却などを命じられた場合は取引を断念する考えを明らかにした。欧州委は合併を認めた場合、特にデリバティブ市場で著しく競争が妨げられるおそれがあるとの見方を強め、8月から本格調査を進めている。両取引所は今月17日までに欧州委に譲歩案を提示することになっており、ニーダーアウアー氏は8日に同委の担当者と面談して対応を協議するとの情報がある。

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ニーダーアウアー氏の発言は、欧州委員会がまとめた金融商品市場指令(MiFID)の改正案で、証券取引所がそれぞれ清算機関を傘下に持ち、有価証券の売買から清算・決済に至る一連の業務を市場ごとに独占している現状を問題視し、証券会社や銀行などの取引参加者が国境を越えて自由に清算機関を選択できる仕組みの導入を提案している点について意見を求められた際の回答。ドイツ取引所は世界最大級の先物取引所ユーレックスを、NYSEユーロネクストはロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)を傘下に持っており、合併後の新会社は欧州のデリバティブ取引や清算・決済業務などの分野で圧倒的な最大手となる。このため両取引所は合併認可の条件として、デリバティブ取引関連など一部事業の売却を求められるとの見方が広がっている。

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ニーダーアウアー氏はMiFID改正案についての検討はまだ始まっていないと指摘したうえで、「合併計画が認可されると確信している。ただし、あまりにも多くのものを放棄しなければならないのであれば計画を断念するしかない。統合の理論を損なう要求に従うつもりはないが、現在のところそうした状況にはなってない」と述べた。

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