2011/11/7

競争法

米J&Jのシンセス買収、本格調査に着手

この記事の要約

欧州委員会は4日、米医薬品・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が医療器具メーカーの米シンセスを買収する計画について、EU競争法に基づく本格調査を開始したと発表した。両社の事業が重複する整形外科 […]

欧州委員会は4日、米医薬品・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が医療器具メーカーの米シンセスを買収する計画について、EU競争法に基づく本格調査を開始したと発表した。両社の事業が重複する整形外科用医療機器の分野に重点を置いて調査を進め、取引を認めた場合に競争が阻害されるおそれがないか判断する。

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J&Jは今年4月にシンセスを213億ドルで買収すると発表した。両社は共に骨折治療用の骨接合材、背骨矯正器具、人工関節などの製造・販売を手掛け、J&Jはシンセスの買収により整形外科用医療機器市場で主導的地位を得ることになる。欧州委は予備調査の結果、すでに寡占化が進んでいる同市場でライバル関係にある両社の取引を認めた場合、技術開発が停滞し、患者にとって選択肢が減るうえに価格上昇などの弊害が起きる可能性があると分析。とりわけ骨接合材や頭蓋顎顔面固定(CMF)器具などの分野で市場独占を引き起こすおそれがあると判断し、本格調査に踏み切った。2012年3月19日までに買収計画の可否について最終判断する。

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