2011/11/21

総合 –EUウオッチャー

ギリシャ政府が来年度予算案提出、財政赤字をGDP比5.4%に圧縮

この記事の要約

ギリシャ政府は18日、2012年度予算案を閣議決定し、議会に提出した。財政緊縮策や債務の棒引きにより、財政赤字を今年の国内総生産(GDP)比9%から5.4%に圧縮する。11日に発足したパパデモス首相率いる3党連立の新政権 […]

ギリシャ政府は18日、2012年度予算案を閣議決定し、議会に提出した。財政緊縮策や債務の棒引きにより、財政赤字を今年の国内総生産(GDP)比9%から5.4%に圧縮する。11日に発足したパパデモス首相率いる3党連立の新政権は、議会で圧倒的多数を占めていることから、同案は12月に議会で承認される見通しだ。

\

深刻な財政危機に直面するギリシャは当初、今年の財政赤字をGDP比7.6%まで減らす計画だった。しかし、EUなどによる金融支援の条件として実施した緊縮策の影響などで景気が落ち込んでいることから、同8.5%に修正した。最終的には9%に達する見通しだ。

\

提出された予算案によると、12年のGDP伸び率はマイナス2.8%と、当初予測の同2.5%を上回る落ち込みとなる見込み。それでも財政赤字は、前政権がまとめた緊縮策と、ギリシャ国債を保有する民間銀行に対する債務の50%棒引きにより、当初目標の6.8%を下回る水準まで縮小する。ベニゼロス財務相は、すでに決まった緊縮策を実行するだけで赤字改善は可能として、追加措置は不要としている。

\

債務の棒引きは、昨年5月に決まったEUと国際通貨基金(IMF)による総額1,100億ユーロの第1次支援に続く1,300億ユーロ規模の第2次支援策に盛り込まれたもの。世界の主要銀行を代表する国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事は17日、数週間以内に詳細について合意するとの見通しを示した。

\

パパンドレウ前首相の辞任を受けて発足した新政府は、2月19日に実施される予定の総選挙までの暫定政権。支援の条件としてEUなどに約束した財政再建を軌道に乗せることが最大の課題となる。ギリシャ議会は16日、新内閣を賛成多数で信任した。

\