2011/12/12

総合 –EUウオッチャー

ベルギーで新政権が発足、1年半の政治空白に幕

この記事の要約

昨年6月の総選挙以降、正式な政権の不在という異常事態が続いていたベルギーで6日、ディルポ新首相率いる主要6党による連立政権が発足した。これによって540日に及んだ政治空白にようやく終止符が打たれた。\ ベルギーでは北部オ […]

昨年6月の総選挙以降、正式な政権の不在という異常事態が続いていたベルギーで6日、ディルポ新首相率いる主要6党による連立政権が発足した。これによって540日に及んだ政治空白にようやく終止符が打たれた。

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ベルギーでは北部オランダ(フラマン)語圏と、南部フランス(ワロン)語圏の歴史的な対立があり、自治権の強化をめぐって総選挙後に連立交渉が難航。総選挙で敗北したフラマン系中道右派政党のルテルム首相による暫定政権が続いていた。しかし、欧州債務危機の波及により、ベルギー国債の利回りが上昇。さらに米大手格付け会社が長期国債の格付けを引き下げたことなどから危機感が高まり、停滞していた連立交渉が一気に進展。フラマン地域の分離独立を目指す最大政党、新フランドル同盟(N-VA)を除いた6党の連立政権が誕生した。

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ディルポ新首相は、12年予算案で財政赤字を国内総生産(GDP)比約2.8%に圧縮し、15年に財政均衡を目指す方針を打ち出している。12年は歳出削減や増税により113億ユーロを節減する計画だが、痛みを伴う措置には国民の反発が予想され、新政権は難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。

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