2012/1/16

産業・貿易

カード決済手数料の規制強化、欧州委が引き下げ検討

この記事の要約

欧州委員会は、クレジットカードやデビットカードなどのペイメントカードを使った決済について、小売店が支払う手数料を引き下げる方針だ。同委が11日公表した政策文書(グリーンペーパー)の中で明らかにした。\ 欧州委は、カード加 […]

欧州委員会は、クレジットカードやデビットカードなどのペイメントカードを使った決済について、小売店が支払う手数料を引き下げる方針だ。同委が11日公表した政策文書(グリーンペーパー)の中で明らかにした。

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欧州委は、カード加盟店が支払う手数料のベースになるインターチェンジ手数料(決済代行銀行がカード発行銀行に支払う手数料)が全体として高い水準に設定されていることで小売店の負担が重くなり、結果として消費者に不利益を与えているとして、これまでもビザやマスターカードなど大手国際カード会社に手数料引き下げを求めてきた。

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グリーンペーパーでは、手数料体系の透明化を促進し、手数料の水準の引き下げを実現するために必要なルールの策定に向け検討を行なっていることを明らかにしている。また、クレジットカードで商品を購入する場合に消費者が負担する追加手数料(サーチャージ)について、小売業者が明確な説明を行うことを義務付けることや、電子決済における競争をより活性化させる方策なども盛り込まれている。

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欧州委はグリーンペーパーの内容についてカード会社や銀行、小売業者などの利害関係者と協議し、今年末から来年初頭までに法案をまとめる方針。欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は、「EU域内の非効率な決済システムは不必要に取引コストを増加させ、欧州経済の競争力を損ない成長のポテンシャルを阻害している」と述べ、決済システム改革の必要性を強調している。

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