2012/1/16

環境・通信・その他

消費者信用サイトの7割に問題、EUの一斉調査で判明

この記事の要約

欧州委員会は10日、個人向けローンやクレジットカードなどの消費者信用サービスを提供するウェブサイトについてEU全域で行った調査の結果を発表した。それによると、EUの消費者保護ルールを完全に順守しているサイトは3割程度にと […]

欧州委員会は10日、個人向けローンやクレジットカードなどの消費者信用サービスを提供するウェブサイトについてEU全域で行った調査の結果を発表した。それによると、EUの消費者保護ルールを完全に順守しているサイトは3割程度にとどまり、契約条件などについて消費者に十分な情報を提供していないサイトが全体の7割を占めた。今後、各国当局を通じて問題が発覚したサイトの運営事業者に事情説明または是正策を求め、一定期間内に改善がみられない場合は法的手続きを経て制裁金やサイト閉鎖などの措置を講じると警告している。

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EU市場では消費者に有益なサービスとして消費者信用取引が広く浸透しており、2010年は販売信用と消費者金融を合わせた個人向け信用供与の残高が6,000億ユーロを超えた。しかし、消費者への情報提供が不十分なため金利手数料などの費用が契約時の予想以上に膨らむケースも多く、クレジット代金の支払い義務をめぐるトラブルが後を絶たない。欧州委はこうした状況を踏まえ、「消費者信用指令」をはじめとするEUのルールに沿って、与信契約を結ぶ前の段階で消費者に十分な情報が提供されているかどうかを検証するため、各国の主管庁を通じて昨年9月に一斉調査を実施した。

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EU27カ国とノルウェーおよびアイスランドの消費者保護当局が消費者金融、ローン会社、クレジットカード会社などが運営する計562のサイトについて調査したところ、情報提供に問題のあるサイトが全体の70%にあたる393サイトに上った。具体的には258サイト(46%)で広告に金利や返済期限など、消費者信用指令が定める基本情報が含まれておらず、与信サービスの利用を決定する際に不可欠な金利のタイプ(固定または変動)、与信期間、手数料といった重要な情報が明示されていないサイトも244(43%)に上った。さらに費用の計算方法などがわかりにくく、誤った情報や誤解を招きやすい情報を発信しているサイトも116(20%)あった。

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