2012/1/23

総合 –EUウオッチャー

12月のユーロ圏インフレ率、2.7%に下方修正

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが17日発表した2011年12月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は前年同月比2.7%となり、速報値の2.8%から0.1ポイント下方修正された。インフレ率は依然として欧州中央 […]

EU統計局ユーロスタットが17日発表した2011年12月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は前年同月比2.7%となり、速報値の2.8%から0.1ポイント下方修正された。インフレ率は依然として欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を上回っているが、前月の3%から大幅に低下。今後も縮小が予想される。(表参照)

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インフレ率の縮小は、原油価格の低下が主因。エネルギーの上昇率は9.7%で、前月の12.3%を大幅に下回った。ECBが金融政策の決定に際して重視するエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は前月と同水準の1.6%だった。EU27カ国ベースのインフレ率は3%で、前月の3.4%から0.4ポイント低下した。

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ユーロ圏の景気は、長引く信用不安で悪化している。世界銀行は17日発表した世界経済見通しで、ユーロ圏の今年の予想成長率をマイナス0.3%とし、前回(昨年6月)のプラス1.8%から大幅に下方修正した。インフレ率は景気停滞に伴って今後も縮小する見通しで、ECBが信用不安、景気対策として、11、12月に続いて利下げに踏み切る余地が拡大してきた。RBCキャピタルの欧州担当エコノミストであるグスタボ・バガッティーニ氏は、現在は過去最低水準に並ぶ1%の政策金利が0.5%まで引き下げられるとみている。

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