2012/1/23

欧州ビジネスウオッチ

独コメルツ銀、公的支援なしで資本増強

この記事の要約

独大手銀行コメルツ・バンクのブレシング頭取は19日、EUの欧州銀行監督機構(EBA)から義務づけられた自己資本の増強を実現できるとの見通しを明らかにした。公的支援を新たに受けることも増資も不要としている。市場ではこれまで […]

独大手銀行コメルツ・バンクのブレシング頭取は19日、EUの欧州銀行監督機構(EBA)から義務づけられた自己資本の増強を実現できるとの見通しを明らかにした。公的支援を新たに受けることも増資も不要としている。市場ではこれまで、公的支援や増資が避けられないとみられてきた経緯があり、同行の株価はこの日、約15%急騰した。

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EBAが昨年実施したストレステスト(健全性審査)でコメルツ銀の狭義の中核自己資本比率は6.93%にとどまり、合格基準の9%を大きく下回った。自己資本の不足額は53億ユーロで、6月末までに不足を解消することを義務づけられている。

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ブレシング頭取によると、同行は期限の6月末までに自己資本を63億ユーロ増強し、狭義の自己資本比率を11%へと引き上げる目途がたった。63億ユーロのうち30億ユーロ強はリスク資産(RWA)の圧縮、24億ユーロは利益の内部保留を通して実現。ボーナスを自社株で支給する措置を通しても最大2億5,000万ユーロを確保するという。

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コメルツ銀は2011年9月末時点の資本不足額53億ユーロを12月末までに30億ユーロ減の23億ユーロへと圧縮した。内訳はリスク資産の圧縮が12億ユーロ、利益の内部保留が12億ユーロ、資本管理が2億ユーロとなっている。今年は上半期中にさらに33億ユーロ改善する計画だ。

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