2012/1/30

競争法

ドイツポストへの補助金、欧州委が返還を命令

この記事の要約

欧州委員会は25日、ドイツの郵便・物流大手ドイツポストに対し、同社がドイツ政府から受けた公的支援の一部が違法な国家補助に当たるとして、最高10億ユーロを返還するよう求めた。\ 欧州委は、ドイツポストが郵政民営化後も国内の […]

欧州委員会は25日、ドイツの郵便・物流大手ドイツポストに対し、同社がドイツ政府から受けた公的支援の一部が違法な国家補助に当たるとして、最高10億ユーロを返還するよう求めた。

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欧州委は、ドイツポストが郵政民営化後も国内のすべての地域で一定水準のサービスが受けられる「ユニバーサルサービス」を維持する見返りに、1990~95年に政府から56億ユーロの支援を受けることを承認した。しかし、同業他社より有利な立場を与えられたことが競争法に違反するとの判断から、5億~10億ユーロの補助金を返還するよう求める決定を下した。

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欧州委は今回、ドイツ、ベルギー、フランス、ギリシャの郵便事業者に対する各国の政府支援に関する調査結果を発表。ドイツポストとのほか、ベルギーのBポストが4億1,700万ユーロの返還を命じられた一方、仏ラ・ポスト、ギリシャのヘレニックポストに対する支援については違法性が認められないとした。ドイツポストのフランツ・アペル最高経営責任者は欧州委の決定について、「他の郵便事業者に対する判断と比較すると、欧州委がダブルスタンダードを適用しているのは明らかだ」と批判。欧州司法裁判所に決定の取り消しを求めて訴える意向を明らかにした。なお、ドイツ政府は欧州委の決定に従うとし、ドイツポストに対し年内に補助金を返還するよう求める意向を示している。

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