2012/2/27

総合 –EUウオッチャー

「成長重視の戦略を」、EU12カ国首脳が提言

この記事の要約

英キャメロン首相、伊モンティ首相らEU 12カ国の首脳は20日、ファンロンパイEU大統領と欧州委員会のバローゾ委員長に書簡を送り、経済不振から脱却するためには厳しい緊縮策よりも成長促進策に目を向けるべきとの考えを示した。 […]

英キャメロン首相、伊モンティ首相らEU 12カ国の首脳は20日、ファンロンパイEU大統領と欧州委員会のバローゾ委員長に書簡を送り、経済不振から脱却するためには厳しい緊縮策よりも成長促進策に目を向けるべきとの考えを示した。

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書簡は経済成長戦略の柱として通商戦略の重要性を強調。インド、カナダ、旧ソ連諸国、アセアン諸国との自由貿易協定(FTA)交渉を年内に妥結するよう求めるとともに、日本とは今夏の前に経済連携協定(EPA)交渉を開始するよう提言。米国とも自由貿易協定(FTA)を含め経済統合を深めるための「あらゆる選択肢を検討すべきだ」としている。さらに、世界貿易機関(WTO)加盟を果たしたロシアと「貿易・投資関係を強化」し、中国と「貿易・投資関係の戦略的検討を始めなければならない」と述べている。

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書簡にはこのほか、2014年までに「効率的で実効性のある域内エネルギー市場」を、15年までに「真の単一デジタル市場」を創出することや、金融システムの健全性を確保するため銀行資本や流動性、レバレッジに関する国際ルールを「希薄化することなく」適用することなどが盛り込まれている。

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書簡に署名したのは英伊のほかスペイン、オランダ、ポーランド、エストニア、ラトビア、フィンランド、スウェーデン、チェコ、スロバキア、アイルランドの各首脳。ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は署名していない。

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