2012/3/5

総合 –EUウオッチャー

S&P、ギリシャ国債を「選択的デフォルト」に

この記事の要約

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、ギリシャ長期国債の格付けを「選択的債務不履行(SD)」に引き下げたと発表した。ギリシャ国債はすでに投資不適格級の「ダブルC」となっていたが、国 […]

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、ギリシャ長期国債の格付けを「選択的債務不履行(SD)」に引き下げたと発表した。ギリシャ国債はすでに投資不適格級の「ダブルC」となっていたが、国債の債務削減策で、民間債権者に削減を強制する措置が盛り込まれたことから、一部の債務が約束通り履行されないことを示すSDに格下げした。

\

ギリシャ政府がEU、国際通貨基金(IMF)による第2次金融支援の条件として実施する債務削減は、ギリシャ国債を保有する銀行など民間債権者が、自主的に元本を53.5%削減した上で、新たな長期国債と交換するという内容。23日には、債権者の66%以上が同意した場合は、削減に応じない債権者に強制執行する集団行動条項(CAC)を発動する法案が成立した。これを受けてS&Pはギリシャ国債をSDに指定した。さらに米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも2日、ギリシャ国債の長期信用格付けを「Ca」から最低の「C」に引き下げた。

\

ただ、S&Pは債務削減そのものについては評価しており、国債の借り換えが完了すれば格付けを「ダブルC」から「トリプルC」に引き上げるとしている。

\

ギリシャ財務省は今回の格下げを「織り込み済み」として、冷静に受け止めている。

\

一方、欧州中央銀行(ECB)は2月28日、S&Pによる格下げを受けて、金融市場への資金供給の際にギリシャ国債を担保として受け入れることを一時的に停止すると発表した。

\