2012/3/5

環境・通信・その他

ローミング料の上限引き下げ、欧州議会産業委が提案

この記事の要約

欧州議会の産業委員会は2月28日、携帯電話をEU域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金の上限を大幅に引き下げることを提案した。EUでは2007年に「携帯電話のローミングに関する規則」が制定され、域内の他の国で音声 […]

欧州議会の産業委員会は2月28日、携帯電話をEU域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金の上限を大幅に引き下げることを提案した。EUでは2007年に「携帯電話のローミングに関する規則」が制定され、域内の他の国で音声通話やショートメッセージサービス(SMS)を利用する際のローミング料金が段階的に引き下げられている。しかし、事業者の多くが規制の上限に近い料金を設定しており、依然としてローミングサービスから莫大な利益を得ているのが実情で、EUは現行ルールが失効する今年6月以降の新たな規制の枠組みを検討している。

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産業委が発表した規制案によると、国際ローミング料金については、音声通話の場合は発信時で現在の1分当たり0.35ユーロの上限を今年7月に0.25ユーロ、13年7月に0.20ユーロ、14年7月には0.15ユーロに引き下げる。SMSは現在1通あたり0.11ユーロの上限を今年7月以降に0.08ユーロ、13年7月は0.07ユーロ、14年7月に0.05ユーロにそれぞれ引き下げる。また、モバイルインターネットを介したデータ利用のリテール料金にも新たに上限を設け、今年7月以降は0.5ユーロ、13年7月に0.3ユーロ、14年7月には0.2ユーロと段階的に引き下げる。このほか、ユーザーが域内の他の国で携帯電話を利用する際、最も低いローミング料金を設定している事業者を自由に選び、電話番号を変更せずにサービスを受けられる契約プランを提供することや、独自に通信網を持たない事業者や国外の事業者にネットワークを開放することを携帯電話サービス会社に義務付けることなども盛り込まれている。

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産業委のラポルトゥール(報告者)を務めたニーブラー議員は、「(携帯電話サービス)市場に競争をもたらし、消費者が法外な料金を請求される状態を終わらせる必要がある。現在の料金体系は、特にモバイルダウンロードについては実際のコストを全く反映していない」とコメントした。この規制案は4月に開かれる欧州議会本会議で採決にかけられる。

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