2012/3/5

環境・通信・その他

グーグルの新プライバシー指針はEU法違反、欧州委副委員長が指摘

この記事の要約

米グーグルが今月1日に導入した個人情報の取扱いに関する新たな指針について、欧州委員会のレディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)は同日、「EU法に違反する」との見解を表明した。EUでは加盟国のデータ保護当局で構成する […]

米グーグルが今月1日に導入した個人情報の取扱いに関する新たな指針について、欧州委員会のレディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)は同日、「EU法に違反する」との見解を表明した。EUでは加盟国のデータ保護当局で構成する第29条作業部会がグーグルの新たなプライバシーポリシーを問題視し、同社に対して先月初め、データ保護法との整合性についての検証を終えるまで導入を見送るよう要請していた。

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グーグルが1月に発表した新指針は、個々の製品やサービスに対する合わせて70以上のプライバシー関連のドキュメントを統合し、同社が収集するユーザー情報やその用途について分かりやすく説明するという内容。グーグルは検索や電子メールなど複数のサービスを利用しているユーザーの情報を一元管理することで、個々のユーザーの関心やニーズを検索結果に反映させたり、より関連性の高い広告を掲載することなどが可能になり、「ユーザー体験の向上」につながると主張している。

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レディング副委員長は英BBCのラジオ番組で、加盟国の当局者らがフランスのデータ保護機関CNILに対してグーグルの新たなプライバシーポリシーに関する分析を要請したところ、同機関は「新ポリシーがEU法に準拠しておらず、透明性に関するルールにも対応していないとの結論に達した」と語った。具体的にどのような点がEU法に合致していないのかとの質問に対し、副委員長は「さまざまな点が問題になるが、1つはグーグルが新ポリシーの策定にあたって外部に意見を求めておらず、透明性に関するルールに抵触する。また、ユーザー本人の同意がないにもかかわらず、第3者に提供する目的で個人情報が利用される可能性もある」と指摘。「個人情報保護はEUの基本原則であり、条約にも明記されている」と強調した。

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