アイルランド政府は3月27日、EUの財政規律強化に向けた新条約批准の是非を問う国民投票を5月31日に実施すると発表した。
\英国、チェコを除くEU25カ国が3月2日に調印した新条約は、債務危機の再発防止が目的で、従来の安定成長協定よりも厳しく各国の財政赤字を制限する。アイルランドは調印国で唯一、批准の可否を議会手続きではなく、国民投票で問う。
\新条約はユーロ圏の12カ国以上が批准した時点で発効となり、アイルランドが批准を否決しても大きな影響はない。しかし、未批准国は7月に創設される「欧州安定メカニズム(ESM)」から金融支援を受けることができないことから、債務危機ですでにEUなどから金融支援を受けているアイルランドが否決すると追加支援の道を絶たれ、終息に向かっている信用不安が再燃しかねない。このため、国民投票では批准が承認される見通しだ。
\アイルランドのサンデー・ビジネス・ポスト紙がこのほど実施した世論調査では、新条約批准に賛成すると答えた人が49%と、反対派の33%を大きくリードしている。
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